本日の担当は、川本正秀です。
あなたのまわりに、普通にいい子っていますよね。
心配がない、手がかからない、と思っていませんか?
たとえば、花壇の花は育ちの速いもの、なかなか大きくならないもの、とそれぞれ成長が違います。
ひところ、「みんな違ってみんないい」と言いながら、子どもに関しては十分な個別対応できていないケースが多いようです。
中学生ぐらいになると、ママがオフクロに変わり、以前はまとわりついていたのに一緒に歩くのを嫌がります。
親に守られる存在から抜け出そうとして、反抗、拒否しながら親離れして、大人に近づきます。
親子の関係が、1体1の対等な関係になるために、反抗などは自立のための必須なコースとも言えます。
あなたも身に覚えがあるかもしれませんね。
「うちの子は、いい子なんです。親の言うことや期待も理解しているし、がんばってもいます。だから、叱ったことは一度もないんです」
相談にみえた母親は、子どもが突然キレたことを信じられない、と話しました。
「A君は、何かやりたいことがあるというような話をしましたか?」
「以前は、鉄道が好きで、将来は電車の仕事がしたいと言ってましたけれど、これからはAIの時代ですからねぇ・・」
「夫も、これからはロボットとか、AI関係の仕事がいいとよく話しています」
「男の子だし、一人っ子なので、私たちも毎日、理工系に入ることを応援しているんです」
しかし、いい子であるA君は、母親の一言にキレたそうです
「がんばっていたので、お茶をもっていくとゲームをしていました。『あら、ゲームしてたの・・』と言ったら、一言も口をきかず、私をにらんで追い出したんです」
その後は、見たことのないような反抗的な態度が続いているそうです。
「あ~あ、わかっちゃいないね」
と、母親のことではなく、その時のA君の気持ちを考えてしまいました。
大人もそうですが、いい子ほど、真面目な人ほど、期待に応えようと無理をしがちです。
そこへさらに期待をかけられると、プレッシャーが高まってある点で爆発してしまいます。
また、普通の子、いい子は、そういう存在であることを強いられた子どもとも言えます。
だから、本当はしたいことがあっても、自己を押し殺して、心の中はイライラしていることもあるはずです。
賢い親は、自分を子どもの立場に立って、理性的に考えられます。
責めるような言葉でなく、大らかで、相手を認める言葉、この場合なら、
「疲れたときは休憩が必要ね」
の一言が欲しかったなあ、と思います。
「その時のA君なら、どう言ってほしかったと思いますか?」
「ゲームもいいけど、勉強も頑張ってね!ですか?・・・」
親も子どもとともに成長しないといけませんね。
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