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子どもに寄り添うとは

今日の担当は山村です。


欠席が続いている生徒に電話している教員がいました。

「どうして学校に来ないのかな?明日は来られそう?」

もちろん、悪意などなく、優しく問いかけています。


でも電話の向こうは沈黙が続いているようでした。

これって、高熱を出している子どもに

「どうしてそんなに熱が出ているの?いつになったら熱が下がるの?」

とたずねているようなものだと思いませんか?

(ちょっと例えが変かな?)

電話の向こうの生徒の様子が気になって仕方がありませんでした。


お節介だとは思いましたが、その先生が電話を切った後、こう話しかけてみました。

「先生、お休み続いているけど、大丈夫かな?調子どう?という声かけのほうが、

先生の心配な気持ちが伝わるかも知れないって感じたよ。」

キョトンとした表情の教員。

私のお節介は伝わりませんでした。たぶん。


義務教育である小中学校であれば、「いつまでも待っているよ」という声かけもあるかもしれませんが、

全日制高校は進級に必要な出席日数の規定があるため、あまり悠長に構えてはいられないという現実があります。


「あと〇日欠席すると、卒業や進級が出来ない」

という焦りの中で、悩んだり、苦しんでいる子どもも多いのです。


高校では、学校へ行くか行かないかは、学校を続けるか辞めるかということにも等しく、

長期化すると、時には厳しい選択を迫られることも多いのです。


数年前、ある生徒からもらった手紙です。

本人の了解を得て紹介します。

(一部抜粋しています)


「(前略)2学期に入ってから毎日泣いて、食欲もわなかくて、熟睡できない日が続いていました。

教室に入れない日々が続いて本当に辛かったです。

でも先生が私の悩みなどを聞いて下さり、少しずつ心が明るくなっていきました。

今ではストレスが多少ありますが、体調は良いです。

ありがとうございました。


先生が私の背中を押して下さったとき、何度か教室に戻ろう!普通に学校に行こうと思ったこともありました。

しかし、途中までは行けるのですが、やはり怖くなったり、辛かったことを思い出してしまい、教室には戻れませんでした。

でも先生がたくさん話を聞いてくれたり、背中を押してくれたり、時々楽しい話もして、とても頼りになるというか、先生と話している時間は楽しい、元気がわいてくる時間でした。

(中略)


新しい環境に飛び込むことは怖いです。

この件があったので、より一層、将来、人の心に寄り添える大人になりたいと思うようになりました。

大変なことはこれからもあるけど、今までみたいに一人で抱え込まずに誰かに相談しようと思います。絶対に。

学校は変わるけど、この高校に入学して本当に良かったです。

私、頑張ります。

(後略)」


こんな手紙を残して別の高校へ転学していった生徒がいました。


心に余裕のない子どもには、良かれと思って伝えても、こちらのアドバイスはなかなか本人の中には入っていきません。

それはまだ迷い、苦しむ力がまだ本人の中にそれだけあるということなのだと思います。

本人にとって「成長のために必要な苦しみ」であり、自分自身で味あわなければ意味の無い苦しみです。

だからこそ、この苦しみをしっかり苦しめるように、悩みを悩めるように安全に見守れる時間が必要です。


学校に来て、みんなと適当に合わせていく方がよっぽど楽なのかも知れないのに、

それがどうしても出来ない子どももいます。

でも、誰かが代わりに苦しんであげることは出来ないのです。


大切なのは子ども自身が自分で悩んで、苦しんで自分で自分の道を選び取ること。

その選択肢がどんなものであろうと、その子が苦しみ抜いて決めたのなら、その決断を尊重して応援すること。

周りの大人たちにもそれを理解してもらえるように環境調整していくこと。


私が日頃実践している「子どもに寄り添う」とはそういうことです。


実はこの手紙の生徒、先日大学に合格したと電話をくれました。

自分で悩みに悩んで選んだ道だから、

しっかり自分のペースで歩んでいるのだとその声から感じました。



あなたが考える「子どもに寄り添う」ってどういうことですか?



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