本日の担当は、川本正秀です。
大人と子どもの違いは何だと思いますか?
今年は、会社を辞めたいという相談をいくつも受けました。
新入社員研修がきつくて、結局辞めた男子。
せっかく入った有名企業を仕事がきついからという理由で辞めたい女子、などなど。
中高年でなく、若い人が何人もいたので考えてしまいました。
企業は若者の耐性の弱さに気づいて対応しているはずなのに、なぜなのでしょう?
新しい環境、きつい仕事、難しい人間関係などストレスの素はいろいろあるでしょう。
困難な状況や問題にぶつかってもそれを乗り越えていく人は、苦しさから逃げない人だと思います。
これは「根性論」でかたずけられない「心のもち方」が根底にあると感じます。
つまり、精神的に未成熟なのだろう、ということです。
先日のある新聞記事に、私学入学に備えて小学校1年生から塾に行く、という記事がありました。
「へえ、そうなの」と思いながら、すぐに得意の妄想が働きました。(あくまでも、私の妄想です)
その子は、6歳から18歳まで学習塾に通い、志望の大学に入るかもしれません。
しかし、社会に出てみると、直面する課題の解き方もわからず、正解も見つからず、経験したことのない負けた気分に陥る。
あるいは、どうにもできないと考えて逃げ出したり、無力感に落ちいってしまうかもしれない。
逆に、問題にぶつかっても乗り越えて成長していく人は、できるかどうかではなく、どうしたらできるかということに興味をもって、前向きに受け止める気持ちが強いように思います。
「未成熟」な生き方をしている人は、「乗り越える」生き方をする人に比べ4倍も多く病気にかかっているという調査もあるそうです。
私は、若いうちは何度も失敗してやり直す体験が次のチャンスにつながると考えています。
幼少から学習塾に行かせることが子どものためになる、と考える保護者もいると思います。
しかし、私は子どもの人間的成長こそが心身の強さを生むと考えています。
そのためには、自然の中で、美術館や博物館で、社会の中で、子どもがワクワクする体験もさせてほしいと思います。
困難に出会ったとき、逃げないで立ち向かう精神の多くは、そういった中で育まれると強く感じます。
「頭がいい人」というのは、「困難に出会ったとき、持っているすべての力を振り絞って乗り越えられる人」と答えた人がいます。
知識は能力の一部であり、体験や経験で出会うそれ以外の能力も十分に活かせないと、本当の成熟ではないのかもしれませんね。
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